特に、レバーやアンコウの肝、イワシ、カツオなどの魚介類、肉類、ビール、魚卵などが高プリン体食品として知られています。
これらを過剰に摂取すると、体内で尿酸が増加し、痛風の発症リスクが高まるのです。
また、アルコールも尿酸の排出を妨げるため注意が必要です。
このように、これまで痛風は食生活と密接に関係すると考えられており、特にアルコールや肉類の過剰摂取が主な原因とされてきました。
しかし、なぜ同じ食生活を送っていても発症する人としない人がいるのか、その理由は長年の謎でした。
今回の研究では、痛風の発症リスクには食生活だけでなく、遺伝的要因に焦点を当てました。
痛風の発症は遺伝的要因が大きかった
研究チームは、260万人分のゲノムデータを解析し、その中で12万人が痛風を発症していることを確認しました。
さらに、尿酸値の変動に関するデータを併せて分析し、痛風のリスク因子を特定しました。
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その結果、痛風と強い相関を持つ遺伝的変異が377カ所特定されました。
そのうち149カ所は、これまで痛風と関連づけられていなかった部分です。
また、65カ所の遺伝子座は尿酸値の変動には影響を与えているものの、痛風そのものには直接関与していないことも判明しました。
こうした分析結果から、尿酸値が高いことと痛風を発症することは必ずしもイコールではなく、遺伝子の影響が病気の発症に重要な役割を果たすことが示唆されました。
オタゴ大学のトニー・メリマン氏は、次のように主張しています。
「痛風は遺伝的要因による疾患であり、患者のせいではありません。
痛風は生活習慣や食生活が原因だという迷信を打ち破る必要があります」
これまで痛風は、食生活の影響が大きいと考えられていましたが、今回の研究で遺伝的要因を無視できないことが明らかになりました。