2024年夏以降、「令和のコメ騒動」と呼ばれるコメの品薄状態が発生し、米価が急騰しました。2024年のコメ生産量は前年比18万トン増の679万トンと報告され、需給バランス上は供給が需要を上回るはずでしたが、流通現場ではコメの争奪戦が続き、価格高騰が収まりませんでした。

2024年8月、坂本哲志農水相(当時)は「新米が出回る9月頃には状況が解消する」との見通しを示し、備蓄米の放出に否定的でした。この背景には、事実上の減反政策で米価を維持したい農水省の思惑がありました。

しかし新米流通後も価格高騰が続いたため、政府の予測は外れました。特にJAなどの集荷業者の集荷量が前年比で20.6万トン減少するなど、流通の目詰まりが顕著でした。この状況を受け、政府は備蓄米の放出に踏み切る方針を決定しました。