ザトウクジラは人間を食べるのか?
ザトウクジラ(学名: Megaptera novaeangliae)は小魚や甲殻類を主食とする。巨大な体を維持するため、一度に2万3000リットル以上の海水を口に含み、クジラヒゲを使って獲物をこし取るのだ。この摂食方法は小動物を捕えるために進化したものであり、人間を意図的に飲み込むことはない。
英ホエール・アンド・ドルフィン・コンサベーションの研究員であるエリック・ホイト氏は、「映像からはカヤック乗りが完全にクジラの口の中に入っていたかは明確ではない」と指摘する。「一部が口の中に入った可能性はあるが、クジラはすぐに彼を吐き出したのだろう」と述べた。
これは初めての事例ではない。2020年にはカリフォルニア沖で、ザトウクジラが2人のカヤック乗りを口の中に入れ、すぐに吐き出すという似たような事件が発生した。さらに2021年には、米国マサチューセッツ州のロブスター漁師が約30秒間クジラの口の中に入れられた後、無傷で吐き出された。
ザトウクジラの胃の中からカシンズウミスズメ(体長約23センチメートル)のような小型の鳥類が発見された例もあるが、人間のような大きな生物を丸ごと飲み込むことは物理的に不可能だと考えられている。

(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)