日本のEVバッテリーリサイクルは

 日本ではハイブリッド車が普及しているが、ハイブリッド車にもEVと同じように、リチウムイオン電池やニッケル水素電池が搭載されている。トヨタや日産などの自動車メーカーは、使用済みバッテリーの回収・リサイクルシステムを構築しており、専門のリサイクル事業者が適切に処理している。ただ、メーカーに回収されているのは3割くらいといわれており、その理由について鶴原氏がこう説明する。

「日本車は古くなっても燃費が良いので海外に中古車として輸出されているケースがかなりある。プリウスもリーフなどの電動車に限らず、日本車は特にロシアで人気がある。ウクライナ戦争で日本からの輸出は禁止されたが、中東など第三国を迂回して輸出されている。リーフの中古車のうち8割は日本に残っていないと言われている。プリウスも相当数が海外に出ているだろう。こうした海外の輸出先でのリサイクル状況はわからない」

 日本でもバッテリーのリユースは盛んだ。

「リーフのバッテリーに関しては、リユースされることが多い。マテリアルリサイクルよりもコスト的に良い。性能が良いセルだけを取り出して集めて組み直し、それを別用途に使う。例えば、通信会社や鉄道会社のバックアップ電源などだ」

 将来的に主流になるのがハイブリッド車かEVかはともかく、日本でもガソリン車の比率が低くなっていくのは間違いない。どちらにしてもバッテリーリサイクルの問題にはしっかり向き合っていかなければならない。

(文=横山渉/ジャーナリスト、協力=鶴原吉郎/オートインサイト代表)

提供元・Business Journal

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