スズキは2025年1月30日、本格的な四輪駆動車の機能と走破性を持つジムニー・シリーズで、初となる5ドア・モデル「ジムニー ノマド」を発表した。発売は4月3日からとなっている。
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モデル概要
新型ジムニー ノマドは、「本格的な悪路走破性を持つ5ドア コンパクトクロカン4×4」をコンセプトとし、ジムニー・シリーズ最大の訴求点である悪路走破性を維持しながら、リヤドアの採用やホイールベースの延長などにより、後席の居住性・快適性向上を実現した5ドア/4人乗りのパートタイム式4WDモデルだ。
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このジムニーの5ドア/モデルは、すでに2023年1月にインドで発表され発売もされている。その後はインドだけでなく、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、中東、中南米などに、3ドアのジムニー シエラとともに販売されるグローバル・モデルなのだ。そのため、ジムニー シエラと同様にインドのグルガオン工場で生産されている。
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日本への導入が遅れた理由については、日本市場では軽自動車ジムニー、ジムニー シエラともに納期が長くかかりバックオーダー状態が続いている状況で、新たに5ドア・モデルの投入がためらわれたからだ。
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しかし一方で、営業面では小型車の販売拡大の戦略が展開されており、5ドア・モデルも小型車ラインアップに追加することが望まれており、結局、ジムニー シエラの納車待ちの顧客に十分な説明を行なうことで、日本導入が決定した。
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日本仕様はシムニー ノマドという新たなモデルネームが与えられた。周知のようにかつてのSUVモデル、エスクード5ドアに使用されていた名称が復活したのだ。
なお、従来からの3ドアのシエラと5ドアのノマドでは、コンセプト面では3ドア・モデルはプロ(業務)ユースがメインとされ、5ドアのノマドは業務用から日常、レジャー、ファミリーユースでの使用など、よりSUVらしさを備えたモデルに位置づけられている。
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コンセプトとパッケージング
ジムニー ノマドは、FRレイアウト、手動式副変速機付きパートタイム4WDで、ラダーフレーム構造の世界最小のリアル・オフローダーだ。本格的な4WDにふさわしい悪路走破性能と視界が良く、取り回しの良い車両レイアウト、機能的なスクエアボディ、そして後席の乗降性とホイールベース延長による乗り心地の向上、室内と荷室の広さを拡大し、利便性を向上することが追求されている。
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つまり従来のジムニー シエラの機能に居住性、快適性の向上、利便性の向上により、従来より幅広いユーザー層に適合できるようになっている。
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ノマドのボディサイズは、全長3890mm、全幅1645mm、全高1725mm、ホイールベース2590mmで、シエラとの比較では全幅は共通で、全長は340mm長く、ホイールベースも340mm延長されている。なお車両重量はシェラに比べノマドは100kg増大している。
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前後シート間距離は50mm長くなり、後席の着座ポイントを50mm後方に移動させ、さらに20mm高めたことで、足元スペースは大幅に拡大され、後席の居住性を改善するとともにラゲッジ容量を210Lまで拡大し、より日常での使い勝手、利便性を高めている。
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一方で、悪路走破性を確保するために、最低地上高は210mmありシエラと同じだ。アプローチアングは36度、デパーチャーアングルは47度とこれらもシエラと同じで、唯一ランプブレイクオーバー角度だけがシエラの28度に対してノマドは25度とわずかに少なくなっている。だが、ラフロード走行性能は十分に確保されている。
デザイン面では、フロントグリルはガンメタリックのメッキ仕上げで専用デザインとなっている。