一方で、猫と飼い主の相互作用におけるオキシトシンの分泌については、ほとんどわかっていません。

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Credit: canva

今回の調査では、中国広州市にてソーシャルメディアを通じて30匹の飼い猫を募集しました。

猫はオスとメスの両方が含まれ、さまざまな品種が対象となっており、年齢は1〜3才までの範囲となっています。

また今現在の飼い主と少なくとも4カ月以上は一緒に生活していることを条件としました。

チームはまず、猫の愛着スタイルを評価するため、「安全基地テスト(Secure Base Test)」を行っています。

このテストには、

1:猫と飼い主が初めての部屋で2分間一緒に過ごす

2:その後、飼い主が2分間部屋を離れる

3:最後に飼い主が戻り、さらに2分間一緒に過ごす

という3つの段階が含まれます。

テストの間、高解像度カメラで猫の行動を記録し、以下のポイントを観察しました。

・飼い主が戻った際に猫が慰めを求めるか

・部屋をどれだけ探索するか

・飼い主との交流でどれだけ回避行動を示すか

安全基地テストの後、研究はより自然な環境である飼い主の自宅に移されました。

猫が飼い主と過ごしている馴染みのある部屋で、飼い主には普段通りに15分間猫と関わるよう指示し、その様子をカメラで記録します。

この自宅での観察セッションでは、以下の行動に注目しました。

・猫が自発的に飼い主に近づくか

・飼い主に接触せず近くに留まるか

・飼い主が猫を抱き上げたり拘束するなど、強制的な関わりを持つか

これらの観察に加えて、それぞれの猫の唾液サンプルを実験前後に採取し、オキシトシンの分泌レベルを測定しています。

そして実験の結果、猫の愛着スタイルは次の3つに分けられました。

タイプ1:安定型

飼い主に対して安心感を持ち、自らも積極的に交流を試みるし、飼い主側から触られても逃げ出すことがないタイプ

タイプ2:不安型