議事録作成や簡単な翻訳、デザインや添削などすでに一部の業務はドンドンAIに置き換わっている。今後、この流れはさらに加速し、簡単な事務職を始め、これまで大卒者がやっていた仕事は本格的に不要になっていく。
産業革命では肉体労働が機械に置き換わった。当時は大きな混乱が起きたが、今の時代にそれに文句を言う人はいないし、コスト面でもパフォーマンス面でも機械に勝負を挑む人はいない。勝ち目がないからだ。単純労働はもちろん、分野によっては知的労働でもAI失業は起こり得る。
そうなりたくなければ、AIを使いこなす側に行く必要がある。翻訳の分野では「ポストエディット」といってAI翻訳後の仕上げの職が新たに生まれている。しかし、そのような職業の空席はこれまでと違って限定的だ。
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今後は高い進学コストや受験における機会費用を払ってモラトリアム進学をしても、人生が有利になるどころか逆に貧しくなってしまう。
確かに大学は楽しい。一部の私大文系は義務的に単位だけとったら、後はひたすら遊び回る楽しい大学生活を送る人もいる。だがその代償はあまりにも高くつく。大学入学後は全身全霊を込めて付加価値向上を目指すつもりがないなら、高卒から人手不足の業界で働くほうがよほどコスパが良いし、会社を選べば、給与も大卒を上回るところもある。
そう、令和という時代は(モラトリアムの)大学進学は「最悪のコスパ」なのだ。
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