特に0.5%以上のカフェインでは、ハエのエネルギー代謝が大きく変化し、寿命が極端に短くなることが明らかになりました。
このことは、カフェインが単なる神経刺激物質としてではなく、ある種の昆虫にとっては毒性を持つ可能性があることを示唆しています。

この研究結果は、カフェインが害虫駆除の新しい手段として活用できる可能性を示唆しています。
現在の害虫駆除では、化学農薬が主流ですが、それらは環境負荷が高く、人体にも影響を及ぼすリスクがあります。
一方、カフェインは自然由来の成分であり、適切な濃度で使用すれば、安全性が高い可能性があります。
例えば、カフェインを含んだ誘引剤を使い、特定の害虫だけを駆除する方法が考えられます。
しかし今回の研究は室内実験であり、実際の農業環境でどれほど効果があるのかはまだ不明です。
またカフェインがハエ以外の昆虫や生態系に与える影響も慎重に調査する必要があります。
今回の研究により、カフェインが特定の昆虫に対して強い毒性を持つことが明らかになりました。
カフェインが眠気覚ましとして私たちに恩恵をもたらす一方で、昆虫にとっては死を招く可能性があるのです。
将来的には、カフェインを活用した害虫駆除が実現するかもしれません。
次にコーヒーを飲むとき、あなたのカップの中のカフェインが、昆虫にはどのような影響を与えるのか、ちょっと考えてみるのも面白いかもしれませんね。
全ての画像を見る
参考文献
カフェインの殺虫効果を実証~飲んだ昆虫は死ぬ~
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1350.html
元論文
Effects of caffeine on the longevity and locomotion activity of the common green bottle fly, Lucilia sericata (Diptera: Calliphoridae)
https://doi.org/10.1007/s13355-025-00893-0