エンジンオイルには各国共通の国際基準として定められている性能があり、それぞれのガイドラインを遵守して製造された製品には、製品情報に各規格が記載されています。そして、クルマにはそれぞれ適合する規格が定められています。
クルマ
2025/02/10
【徹底解説】輸入車向けエンジンオイルのスペック【パッケージには何が書いてある?】
・欧州規格ACEA
ACEA(欧州自動車工業会)は、欧州を拠点とする主要自動車メーカー15社を代表する組織でヨーロッパのオイルが満たすべき基準を定めています。
EUが新しい排出ガス規制を導入したり、新しいエンジンオイル技術が生まれたりするたびに、新しいオイル規格を発行しています。
アルファベットは対応するエンジンの種類、数字はオイルの仕様によって分類されています。一般車両にはA/B(ガソリン、ディーゼル車両)またはC(GPF/DPF対応、低汚染物質の省エネタイプ)が相当します。数字が大きいほど高い性能が求められますが、互換性が必ずしもあるわけではありません。
つまり、上位グレードだからといって全ての性能要件を満たしているわけではないので注意が必要です。例えばC4が推奨されている場合にC5仕様のオイルが適合するとは限りません。
・米国規格API
API(米国石油協会)は、米国材料試験協会(ASTM)およびニューヨーク自動車技術会(SAE)と共同で作成された規格で、標準のエンジン試験に基づきエンジンオイルが満たすべき性能を定めています。
主に乗用車に適用されるガソリンエンジン用のクラス(S = サービスオイル)と、ディーゼルエンジン用のクラス(C = コマーシャルオイル)でカテゴリわけがされ、頭文字に続くアルファベットが後になるほど、新しく、より高い性能が求められます。新しいオイルの仕様は、旧仕様を強化したものである場合もあれば、以前の仕様とは互換性がなく新しい仕様が旧式のものに取って代わる場合もあります。
・カーメーカー認証(承認)
アプルーバルとも呼ばれます。メルセデスベンツ、BMW、Audi、フォルクスワーゲンのカーメーカー認証はACEA規格をベースに独自の技術要件、社内試験、実地試験を追加で行っています。
ACEAなどの国際規格が自己認証であるのに対し、承認は上記の試験に合格した製品がカーメーカーから承認を受けます。つまり、カーメーカー認証を得た製品はカーメーカーの正式認可品となります。
エンジンオイルの規格は複雑かつ情報が年々更新されます。適合するオイルを見つけ出すのは簡単ではありません。
しかし、国際規格にそのエンジン独自の要求事項が追加され、カーメーカーによって認証を受けたエンジンオイルを選べば、失敗することなくエンジンの性能を最大限に引き出せます。
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正式認可品でエンジンのパフォーマンスを最大限に
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