日経に「吉野家出店が計画の半分に 外食、コスト高で下振れ続々」と題する記事があります。ただ記事の内容は、吉野家というより外食チェーン店が押しなべて出店計画を下回っているという内容で、計画の5割から7割程度に留まっていると。理由は建築費、賃料、人件費の「3高」が理由です。

チェーン店は建築費や賃料が高かったからと言ってその店だけ違う価格帯のメニューににするわけにはいきません。よって経済性が伴わなければいくら出店計画をしても出せないということです(最近の傾向ではこのタブーを打ち破り、場所により金額が違うチェーン店もちらほらあるようですがまだ実験段階でしょう)。

また帝国データバンクによるラーメン店の倒産が相次いでいるという報道もありました。24年には72件が法的整理したとあります。また既存店の1/3が赤字経営、減益が27%で合わせて6割以上が経営悪化となっているとあります。焼き豚は極限まで薄くしてもそれでも儲けが出ないという訳です。

私から見るラーメン店は二極化した部分もあります。とくにSNSなどで人気に火が付くと1時間待ちといったことが常態化する店がある一方、ガラガラで厨房にいるお兄さんの手つきが怪しい店もあります。

日本人は消費や飲食に対して目や舌が肥えているとされます。故にかつての街の食堂的な胃袋を満たすというシンプルな目的では経営を維持できないのです。そして大手チェーンですら計画通りに進められない出店計画ということは既存店の提供価格は下限値であるとも言えないでしょうか?

以前にも書いたようにスーパーの総菜や冷凍や半製品のレベルが非常に上がり、食べ飲み放題の店のは原則、時間制限があることを考えれば家飲みが外食に変わる選択肢になる可能性は大いにあると思います。

外食のメリットとは家で作るのが面倒くさい、あるいはそもそも出先で作る手段がないケースが主流でした。「孤独のグルメ」の最新シリーズを見ていてさて、五郎さんの生き方は今風なのか、と一歩下がってみるとなんとなく無理が出てきたような気もします。