ウクライナへの多額の支援を主導していた一大勢力がUSAIDであることも事実である。その中で「民主化支援」の名目で、ウクライナのメディアや、ウクライナ擁護の論陣をはっていた欧米メディアに、多額の援助をUSAIDが提供していたことも、今や問題になっている。しかしこれも「ウクライナ支援者=民主主義、ロシア=権威主義」の二元的世界観に基づき、「民主化支援」の「開発援助」を行っていた、ということである。
バイデン政権のときには正義であった「民主化支援」が、トランプ政権では正義ではなくなった。これが端的に言って、今起こっていることである。
日本でも、相変わらずSNSで「陰謀論」撲滅主義者と、「ディープ・ステート」撲滅主義者が、戦っている。感情的に過熱したやり取りも見られるが、それは非生産的である。こんなときこそ、冷静に、現代の国際情勢を見る目を失わないようにしたい。
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「篠田英朗国際情勢分析チャンネル」(ニコニコチャンネルプラス)で、月2回の頻度で、国際情勢の分析を行っています。