英ロンドンで、高齢の母親が亡くなった娘の遺体を1年以上自宅に保管し、車椅子に乗せて街を移動するという衝撃的な事件が発生した。発覚のきっかけは、住民からの「耐え難い悪臭」と「大量のハエの発生」という苦情だった。
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母は娘の死を受け入れられなかったのか
事件が明るみに出たのは2023年11月7日。住民の通報を受け、住宅管理会社の職員がロンドン北東部ウォルサムストウのアパートを訪れた。しかし、当時77歳だったジョーン・キャスリーン・ターネルは立ち入りを拒否。娘のトレイシーが生きていると見せかけるため、彼女の遺体に赤いコートをかけ、車椅子に乗せて外に連れ出した。
しかし、不審に思った職員が後を追い、車椅子から漂う異臭を察知。すぐに警察に通報し、ターネルが人目につかない駐車場に入ろうとしたところで制止した。警察官が赤いコートのフードをめくると、そこには激しく腐敗した遺体が横たわっていた。検視官のグレアム・アーヴィンは、「発見時には、既に遺体の腐敗が進んでいた」と証言している。
発見直後、ターネルは警察官に対し、「なぜ放っておいてくれないの? 私たちは大丈夫だったし、私は彼女の世話をしていた」と訴えた。