このプロセスはゆっくりと進んでいますが、長い時間をかけて最終的にはアフリカ大陸が二つに分かれ、間に大きな海洋が新たに生まれると考えられています。
現在、地球上には太平洋、大西洋、インド洋の3つに北極海と南極海を加えて、「五大洋」と呼ばれる大きな海があります。
将来、アフリカ大陸の裂け目に誕生する海もかなり規模の大きいものとされるため、「第6の海洋(A Sixth Ocean)」と呼ばれています。
「第6の海」はいつ頃、誕生するのか?
これまで研究者たちは、この分裂が完了するまでに数千万年を要すると考えていました。
しかし近年の研究では、100万〜500万年以内にこの変化が完了し、東アフリカに新たな海洋が誕生する可能性が指摘されています。
これはGPS技術や人工衛星を用いた観測により、プレートの動きを精密に測定できるようになったことが大きな要因です。
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米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の地球物理学者ケン・マクドナルド(Ken Macdonald)氏によれば、アラビアプレートは年間約2.5センチメートル、ソマリアプレートとヌビアプレートは年間約0.5〜1.3センチメートルの速度で移動していることが確認されています。
一見すると微々たる変化のように思えますが、100万年以上のスパンで見ると、この動きが大陸の地形を根本から変えてしまうほどの影響を及ぼすのです。
現在の研究課題は、この分裂がどのようなメカニズムで加速しているのか、また新たな海洋がどれくらいの速度で形成されるのかを正確に予測することです。
研究者たちは、地球内部のマントル対流や地震活動、火山活動との関連性を調べることで、この謎の解明を進めています。