シーズンごとの離婚率は5%から36%の範囲で変動しており、特に環境条件が悪い年にはその傾向が強まることがわかりました。
また最大では離婚率50%(2組に1組!)に達するシーズンもあったとのことです。
では、なぜペンギンは離婚するのでしょうか?
ペンギンが離婚する理由とは?
離婚の最も大きな要因の一つは「繁殖が成功するかどうか」です。
もし同じパートナーで子育てを成功させられなかった場合、その相手とずっと婚姻関係を続けていても子宝に恵まれない可能性があります。
そこでその相手とはスッパリと縁を切り、次のシーズンでは新しい相手を探す傾向があったのです。
まるで人間の結婚生活のように「この関係ではうまくいかないかも」と考えて、ペンギンたちはより良い相手を求めるのでしょう。
その一方で、コガタペンギンの離婚率はコロニー全体の繁殖成功率と強く相関しており、環境要因や行動特性よりも重要な影響を与える可能性があることがわかりました。
具体的には、離婚率が18%以下の年にはコロニー全体の繁殖成功率が高く、逆に離婚率が高い年には繁殖成功率が低下する傾向が見られたのです。
先ほど言ったように、コガタペンギンの個体レベルでは、同じパートナーと繁殖できないと判断すると離婚を選びます。
ところが離婚した個体は新しいパートナーを見つけるのに時間とエネルギーを費やす必要があり、良い相手が見つからなければ、そのシーズンの繁殖機会を失う可能性が高くなります。
これにより、コロニー全体の繁殖成功率が低下する要因の一つとなるのです。
つまり、コガタペンギンの社会においては「安定した夫婦関係」が、コロニー全体の繁殖の成功に不可欠である可能性が高く、離婚して新しい相手を見つければ、必ず繁殖に成功するわけではないことを示唆しています。
これは私たち人間にも通ずるところがあるかもしれません。
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