ペンギンは一夫一妻制で、同じ相手と一生を添い遂げるといわれています。
しかし最新研究によると、そうロマンチックな話ばかりではないようです。
豪モナシュ大学(Monash University)の研究チームが、オーストラリアの島に住む「コガタペンギン」を調査したところ、かなりの確率で離婚しており、最大では50%の離婚率に達していたことが判明したのです。
一体なぜでしょうか?
研究の詳細は2025年1月11日付で科学雑誌『Ecology and Evolution』に掲載されています。
目次
- 離婚率は最大で50%に達していた!
- ペンギンが離婚する理由とは?
離婚率は最大で50%に達していた!
「ペンギンは一生同じ相手と過ごす」そんな話を聞いたことがあるかもしれません。
実際、ペンギンの多くの種は社会的に一夫一妻制をとる傾向があり、同じパートナーと繁殖を続けるケースも少なくありません。
しかしオーストラリア領内のフィリップ島に住むコガタペンギン(学名:Eudyptula minor)に関しては、この定説が必ずしも当てはまらないことが分かってきました。
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研究チームはコガタペンギンの離婚率を調べるため、2000年から2013年にかけてフィリップ島でフィールドワークを実施。
研究者は「前年の繁殖シーズンにタグ付けされたペンギンのペアが、翌年に新しいパートナーとともに再びコロニーに現れた」場合に、そのペンギンを「離婚した」と見なしています。
そして12回にわたる繁殖シーズンの結果、約1000組のペンギンのペアのうち250件近くの「離婚」が記録されました。
これは13年間で、年間平均で21組の破局があった計算になります。
比較として、アメリカの年間離婚率は1000組の結婚につき約2.4組であり、コガタペンギンの離婚率はそれよりも約10倍も高かったのです。