模倣能力の進化的意義—なぜ海洋生物は声をまねるのか?

 このような発声能力には、実用的な側面もある。シャチは家族ごとに異なる「方言」を持ち、個体同士のコミュニケーションのために特定の鳴き声を学ぶ。また、シロイルカは氷に閉ざされた極寒の海で生息しており、音を頼りに狩りをするため、音声の学習能力が発達したと考えられる。こうした能力が、人間の声をまねることにまで発展した可能性があるのだ。

 しかし、この能力がSNSで話題になる理由は、科学的な興味だけではない。シロイルカの愛らしい見た目とは裏腹に、人間のような声を発することに対する「違和感」が、人々の恐怖心を引き起こしているとも言える。実際、「フレンドリーな見た目の生き物が発する異様な音声」というギャップが、ホラー映画のような印象を与えているのだろう。

 科学者たちは今後も、この驚くべき能力のメカニズムを解明するための研究を続ける予定だ。もし海の中で突然「人の声」が聞こえたとしても、幽霊や未知の生物ではなく、シロイルカが遊び半分で「会話」を試みているだけかもしれない。

提供元・TOCANA

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