また、高吸水性高分子は親水性(水を弾かず、水と相互作用しやすい性質)も持っています。
この親水性は、紙が水をすぐに吸収するのと同じく、高吸水性高分子がたくさんの水を瞬時に吸水するのに役立っています。
ここでまでで、高吸水性高分子が水を吸収しやすいことが分かりました。
次に、その吸収した水をどのように保持しているのか考えてみましょう。
水を保持できる理由は「網目構造」
高吸水性高分子(架橋したポリアクリル酸ナトリウム)は、大量の水を吸収し、保持できます。
その理由は、高吸水性高分子の網目構造にあります。
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これらは乾燥時、高分子の長い鎖が絡まった状態になっています。
しかし水が入ると、網目構造に広がり、その網目の中に水が閉じ込められます。
乾燥状態では、高吸水性高分子はしぼんだ風船のようにコンパクトな状態にありますが、風船に空気を注入するかのように、中身(水)が入ることで立体的になり、急激に大きくなるのです。
一旦吸収された水は、網目の中に保持されるため、力を加えても外に逃げ出しません。
(浸透圧を利用して外部の水溶液のイオン濃度を高くすると、水は外に逃げていきます。例えば、高吸水性高分子を食塩水に入れたり、食塩をかけたりすると、脱水することが可能です)
そして大切なのは、このような現象を生み出すために、ポリマー同士を連結し、性質を変化させる「架橋処理」が必要になるという点です。
そのため、単なる「ポリアクリル酸ナトリウム」では、水を注いでも膨らまず、ゲルやローションのようになるだけです。
一方、架橋したポリアクリル酸ナトリウムは、「高吸水性ポリマー」とも呼ばれ、GIF画像のように膨張するのです。
ここまでで、架橋したポリアクリル酸ナトリウム(高吸水性高分子)がどうして水を吸収して膨らむのか理解できました。