映画がまだ発展途上であり、短編や実験的な作品が多かった1907年、イギリスの映画監督セシル・M・ヘップワースは、まったく異なる作品を世に送り出した。それは、「人食い人形がヴィクトリア朝の子どもを襲う」という前代未聞のホラー映画だった。

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「人形の復讐」――史上初のカニバリズム・ドール映画  この短編映画『The Doll’s Revenge(人形の復讐)』は、穏やかな家庭の一場面から始まる。父親が娘にダンスをする人形をプレゼントし、彼女は大喜びする。しかし、嫉妬した兄が人形を解体しようとするところから物語は急転する。

 この兄は、ヴィクトリア朝時代の病的な性格を持つ問題児として描かれている。しかし、彼の解剖ごっこは大きな間違いだった。この人形はただの玩具ではなく、異常な復讐心と人食いの衝動を秘めていたのだ。