エアーエウロパがパンデミックでその親会社と一緒に資金難に陥った

両者がワカルアを介して協力している間に、コロナ禍のパンデミックが襲った。イダルゴ氏が率いる企業グループも観光客の激減でその影響を脆に受けた。

2020年3月にエアーエウロパはスペイン政策金融機関(ICO)から14億ユーロの融資を受けた。しかし、それだけでは同航空会社を救うには資金が足りない。

2020年7月10日、イダルゴ氏の父親で同航空会社の創業者フアン・ホセ・イダルゴ氏が国家産業出資公社(SEPI)に救援金を要請した。この救援金を提供する、しないはスペイン政府が決めることになっている。

2020年7月16日、ハビエル・イダルゴ氏がベゴーニャ・ゴメス氏とビデオ電話で交信があった。また同月24日にも再度ビデオ電話で会談を持った。

それから僅か3か月という超短期間に政府はエアー・エウロパに4億7500万ユーロの救援金の提供を決めたのである。通常のパターンだと救援金の申請をしてから認可されるまでに最低半年はかかるとされている。

更に、2021年3月にはエアーエウロパの親会社グロバリアにも3億2000万ユーロの救援金を政府が認可した。

政府のこの2社への救援金の決定にはベゴーニャ首相夫人の介入があって、この救援金の支給がより迅速にされたのではないか? しかも、内閣のこの支援金を支給する会社はサンチェス首相の夫人が関係を持っていたということで、本来首相は閣議での決定に中立を守る意味で参加しないのが妥当であるはず。ところが、実際にはサンチェス首相はこの認可に加わったというのは明らかになっている。

パンデミックで企業救済の支援金を政府は100億ユーロ用意していた

コロナ禍のパンデミックで企業を救済するために政府が用意した基金は100億ユーロであった。政府に支援を要請した企業は73社あったが、実際に救援金を提供した企業は僅か39社。その中でもエアーエウロパと親会社グロバリアに提供された救援金は合計7億9500万ユーロ。これは飛びぬけた高額

である。それ以外の企業への支援金は数千万ユーロとなっていて、億単位での支援金は上記2社だけであった。

サンチェス首相の夫人が救援金の支給に関与したという証拠はない。しかし、彼女が関係していた企業が多額の支援金を、しかも異例の早さで支給されたというのは首相夫人の影響力があったというのは否定でないないのではないであろうか。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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