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カタルーニャ州が衰退して行く要因

2017年10月に実施されたカタルーニャの独立を問う住民投票がきっかけとなり、カタルーニャから現在まで8746社がカタルーニャ州から本社を州外に移転させた。その向かった先で一番多いのがマドリード州である。

なぜカタルーニャから企業が脱出するのか。それは次のような理由からである。

カタルーニャがもし独立した際にはカタルーニャ共和国はEUに加盟できなくなる。そうなると、カタルーニャに本社を置く銀行はヨーロッパ中央銀行からの支援を受けられなくなる。一般企業だとスペインに輸出することさえも関税がかかることになり、競争力がなくなる。 カタルーニャ自治州の財政事情は悪く、スペインでカタルーニャ自治州が定めた税金は15種類もある。これは断トツで、2番目に税金の種類を多いのはムルシア州とアンダルシア州で僅か6種類しかない。マドリード州になると4種類だけだ。 カタルーニャは深刻な財政赤字にある。自治州のGDPに占める負債でカタルーニャは34%。一方のマドリードは15%しかない。 本社をカタルーニャ州外に移転すれば法人税など同州で納める必要がなくなる。