ただ韓国軍も実戦をしたことがなく、仮に今、朝鮮半島で地上戦が起きた場合、単なる肉弾戦だけで考えればどっちもどっちな気がします。近年の戦争は指導者の戦略と作戦、陸海空軍のみならず、ドローンやロケット弾など近代兵器の取り扱い、いつの戦争でも決定的に重要な結果をもたらす情報戦(諜報戦)、第三国による外交を含めた支援が極めて重要になるでしょう。
少なくとも私が感じる限り、金正恩氏のプーチン氏との連携は金氏にとって落とし穴のような結果を生む可能性が出てきたと思います。今後、ロシアへの派兵がどれぐらい続き、兵士の損害がどの程度に及ぶか次第ですが、その結果は否が応でも本国にもたらされ、その事実が分かった時の北朝鮮軍の金氏への忠誠心が維持できるのか、それとも極めて緊張する関係に陥るか重要な岐路に立たされるとみています。
金正恩氏は若かりし頃、軍との関係が悪化したことがあり、それを修復するのに苦労したことがあります。今回はその時のレベルに比べてはるかに難しい状況になっています。またトランプ氏はロシアと北朝鮮の分断作戦をするとみています。それをどういう形に進めるかは想像の域を出ませんが、トランプ氏は北朝鮮に甘い蜜と厳しい制裁のどちらを選ぶか踏み絵をさせるとみています。
トランプ氏は既にプーチン氏との会談について具体的な場所やタイミングの調整に入っているので全て想定通り進むならトランプ氏と金正恩氏のディールは今年中に起こりえることもあります。
トランプ氏が望む金氏とのディールの内容によっては金王家の崩壊も絶対にないとは言えない気がします。最近は金正恩氏が娘を公の場に同席させることが増えてきましたが、金氏の周辺は初めの頃は可愛い娘さんぐらいにしか思っていなかったと思いますが、ここまで露出されると快く思っていない人も相当いるはずで金家崩壊のシナリオはあり得るとみています。そういう意味ではロシア派兵が金正恩氏にとって運命の分かれ道だったと将来言われることも絶対なくはなさそうです。