昨シーズンから降格枠が3枠へ拡大したこともあり、そのリスクを避けたいという意識が影響していると考えられる。降格という失敗を犯したくないがために継続路線を選択し、調子が上がらなければシーズン中に交代に踏み切るのだろう。
なお、J1からの降格によってJ2に参戦するジュビロ磐田、サガン鳥栖、北海道コンサドーレ札幌はいずれも監督交代に踏み切った。J3から昇格しJ2に参戦するクラブもFC今治が監督交代を決断している。継続路線か一新か、どちらが成功例となるのか注目である。
出場機会を求めてJ1からJ2へ
近年はJ1からJ2のクラブへ移籍する有力選手が増えている。2025シーズンであれば、前述のMF山口やDF鳥海、MF為田はもちろん、浦和レッズからベガルタ仙台へと完全移籍で加わったMF武田英寿、横浜F・マリノスからV・ファーレン長崎へと完全移籍で加わったDFエドゥアルドらがこれに該当する。
Jリーグのクラブ全般にいえることだが、コロナ禍以降平均予算が増加傾向にある。キープレーヤーだと判断した選手には、J1クラブに匹敵する条件を提示できるようになっていることが関係している。また、J1で定位置を掴み切れなかった選手がJ2への期限付き移籍によって出場機会を求めるケースも多い。名古屋グランパスから愛媛FCへ加入したMF吉田温紀、名古屋から磐田へ加入したMF倍井謙、柏レイソルからヴァンフォーレ甲府へと加入したMF土屋巧、湘南ベルマーレからカターレ富山へと加入したDF吉田新らはこれに該当するだろう。
J2を経験しJ1の主力へと羽ばたいていく選手はもはや珍しくなく、2025シーズンもそのような選手の羽化を見られるはずだ。