たとえば、悩み相談をされた時に具体的なアドバイスをした上で「大丈夫、あなたならきっとうまくいくよ」と元気を出すように応援する。
たとえ自分が辛くて落ち込んでいても、相手から「ありがとう」と感謝の言葉をもらうことで、たちまち心の傷が癒やされるように感じるのだ。自分が辛い時ほど、相手を親切にすることで自分が救われると思えることが少なくない。
つまり、これは自分が気持ちよくなるために相手に優しく接するということである。そうなれば自然体で相手に親切に接することができると思っている。
2.負けるが勝ち仕事や人間関係ではトラブルはつきものである。ネットと違い、リアルでは理不尽な怒りを向けられた時にブロックをして関係を終わりにすることも難しい。そんな時は相手の怒りに飲まれて血の気荒く応戦するより、さっさと相手に勝ちを譲ってしまえばいい。
先日、親族から自分に理不尽な怒りを向けられた場面があったが、反論をグッとこらえて「その気持ちはよくわかりますよ。誰だって頭に来ますよね」と共感を示したことで、その瞬間に相手の怒りは見る見る鎮火して、「わかってくれて嬉しいよ」と落ち着きを取り戻して平和的な対話ができた。
こうした平和を求める態度は人によって優しい人物と映るだろう。だがその実、これも自分自身のためなのである。
つまらないプライドを守るために時間やエネルギーなどの貴重な人生リソースを使って争いに勝っても失うものがあまりにも多すぎる。それなら、プライドなんてどうでもいいので、さっさと勝ちを相手に譲って平和的に終わらせるので良い。負けるが勝ちである。
まともな相手であれば「この人はプライドにこだわらず、自分を負けで終わらせる器を持っている」ということを理解するので、それ以上争いにもならない。大人とは相手の怒りを余裕の態度で対処するものなのだ。
もちろん、全てではない。仕事の責任問題や時には譲れない議論が必要な場面もあるだろう。だが、人間関係の争いの多くは1年後には全く記憶にないような小さなことばかりだ。小さなことを大きく荒立てるのは得策ではない。