「作業中は無味無臭、機械音のみが流れます。しかも、漢字や文章表現がわからなくても、パソコンやスマホが調べてくれます。あなたが思考しなくても文を書いてくれることもあります。これでは、メモのスピードは速くても、脳を活性化しているとは言えないですよね? 脳は、臓器の中ではもっともエネルギーの食いしん坊で、摂取した栄養分の約25%を消費します」(著者)
本当の手帳の使い方とは「その消費をおさえるためか、脳はつねに省エネをおこないます。つまり、ていよく活動をなまけようとするのです。書きは、そんな〝なまけグセ〞のある私たちの脳に対して、やさしく活動をうながす〝脳のインフルエンサー〞の役割を果たすのです」(同)
年末から年度末になると、大手書店や百貨店には新作手帳の販売コーナーが設営されます。多くの人は手帳をスケジュール表として使っています。しかし、単なるスケジュール表としてではなく、目標管理ツールとして活用している人もいます。
私自身も、手帳に目標を書き込むことの効果を実感しています。毎日目標を目にするようになって時間のムダ遣いが減り、将来に向けたアクションを起こせるようになります。お付き合いのある経営者の中には、10年前から手帳に「上場」と書き続け上場した人もいます。
手帳に記した目標に向かって、着々と進んでいるのです。目からの刷り込み効果は、なかなかのものです。手帳は自分だけのバイブルです。逆に決して書き記したくないのは、仕事の愚痴や人の悪口。あとにも引きずりやすくネガティブな事柄です。手帳をデスノートにしてはいけません。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)