「定年まで雇わせて、原則賃下げも認めない」というのを規制で実現させようとしたわけです。結果、何が起こったか。
・新卒一括採用という入り口一発勝負 ・労使協調なのでヒラ社員が会社の20年後を心配 ・プロじゃなく“メンバー”
ここ15年くらいで大手にも中途採用が広まりましたけど、それまでは事実上の新卒一括採用のみ、新卒でコケたりすぐに辞めちゃうと元のレールには戻れない時代でした。
また、日本企業では、株売ったらサヨナラの株主や数年で退任する経営陣よりも、実は労組が長い目で経営を考えています。だって定年まで何十年もお世話になるから。
だから日本企業の労組って絶対にストなんてやらないし無理な賃上げも要求しないんです。あくまでも「経営に差し障らない程度に」慎ましくリクエストするだけですね。
そしてメンバーシップ制なので業務を確定させないまま入社し、会社から与えられる仕事をなんでもこなすゼネラリストは、言うまでもなくプロフェッショナルとは異質なものです(その会社内の人間関係とか社史とかの“プロ”ではあるんでしょうけど)。
中途採用やってる会社は今ならいくらでもあるけど「自分は今の会社のことしかわからないから転職できない」という人は多いでしょう。それはその人がプロではなくメンバーだからです。
さて、そうやって流動性という武器を捨て、終身雇用という一種の規制で守ってもらおうとした結果、望むものは手に入ったんでしょうか。
「失われた30年」なんて言われている点を鑑みるに、ほとんどの人にとって“終身雇用”という武器は期待していたほどの御利益はなかったんじゃないですかね。
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以降、
・今の場所にとどまり続けるには人も企業も走り続けるしかない ・ジョブ化と交渉は切っても切れない関係
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Q:「40代ですが急に引き合いが増えて驚いています」 →A:「企業が年功序列という夢からさめただけでしょう」