なぜ、Uber Eatsの従業員たちは、正式な労組もないのに会社とガチンコで交渉出来ているんでしょうか。
そして、なぜ同じことを日本企業の労働組合は出来ないまま、会社にやりたい放題されているんでしょうか。
いい機会なのでまとめておきましょう。
労働者にとって“最強の武器”とは何かUberのスタッフが会社とガチンコで交渉できる理由は、以下の3点です。
・いつでも競合に転職できるから
フードデリバリーサービスはUber以外にも、出前館やmenuといった企業がしのぎを削っています。 「割に合わない」と思えば、無理にUberに固執する理由はないんですね。
これは労働者にとって非常に大きな武器だと言えます。
・経営なんてどうでもいいから
恐らくUber側にはスタッフの報酬を抑制しないといけない事情があるんでしょう。20年後を見据えてもっと設備投資しないといけなかったり、米国本社からもっと利益を上げろと尻を叩かれたり。
でも一労働者からすればそんなことは本来どうでもいい話ですね。そんなことより自分は今すぐこれだけ必要なんだから払うのか払わないのかはっきりしろというのが、本来の労働者の感覚だと思いますね。
・プロフェッショナルだから
そして、もっとも心強い点は彼らがプロフェッショナルだからです。
なんて書くと「大げさな」と思う人もいるかもですが、筆者の考えるプロの定義は「自分のスキルを理解し、それを磨く努力をし、安売りはしない人たち」のことです。
プロ野球選手とかゴルゴ13みたいな人たち限定ではなくて、どんな職種にも存在しえるものです。
完全実力主義でデリバリーという業務に特化し、「割に合わない仕事は受けない」というスタンスの彼らは間違いなくプロフェッショナルでしょう。
これらを総合したものが「労働市場の流動性」と言われるものの本質でしょう。そしてその流動性こそが労働者の最強の武器だというのが筆者のスタンスです。 一方で、全く逆のアプローチで処遇の底上げを勝ち取ろうとしたのが我らが日本企業ですね。そしてそのアプローチとは終身雇用制度です。