条約署名式後開かれた記者会見で、プーチン大統領は「この条約の作成には長い時間を要したが、この作業が完了したことを大変うれしい。この条約は、両国の協力のほぼすべての分野にさらなる推進力を与えるだろう。私は、この条約が貿易および経済関係のさらなる発展にも寄与することを確信している。昨年の最初の10か月間の貿易成長率は15.5%に達しており、良好な指標と考えている。私たちは原子力エネルギーを含む大規模プロジェクトを引き続き進めています。他にもエネルギー分野での新しいプロジェクトや物流分野での良好な見通しがある。また、人道分野での協力についても強調したい。観光交流が約21%増加し、交通通信も発展している。また、文化省間の協力でも目に見える進展がある。今年6月には、イランでロシア文化の日が開催される予定であり、楽しみにしている」と語っている。
一方、イランのペゼシュキアン大統領は「本日署名する重要な条約は、文化、経済、人道関係を含む両国の活動全般を網羅しており、二国間関係の発展に大きな後押しとなり、さらなる進展のための堅固な基盤を提供するものと確信している」と述べている。ちなみに、イランのアッバス・アラグチ外務大臣は「イラン・ロシアの包括的戦略共同協定の性質は主に経済的であり、貿易や観光、輸送、エネルギー、その他この分野の問題を含むすべての関連分野をカバーしている」と指摘している。
IRNA通信によると、両大統領は会談後の記者団の質問に答え、「テヘランとモスクワ当局がこの条約の署名を優先した理由は、以前の合意ではもはや両国間の関係がさまざまな側面で増大することに対応できなくなったためだ。米国の覇権との対決を含め、国際的および地域的問題において多くの点で共通かつ緊密な見解を共有するイランとロシアは、さまざまなレベルでの協力に向けたロードマップを概説した」と説明している。イランのペゼシュキアン大統領は、「両国間の協力は双方にとってウィンウィンである」と強調することを忘れなかった。