株価にしても同様です。ダウは2020年1月に29000㌦でした。今は下がったとはいえ43500㌦で上昇率は50%です。家計の株式や投資信託、債券への組み入れ率は5割超となっています。日本は現金、定期預金が5割超ですので好対照です。いわゆるアメリカの確定拠出年金でも株式組み入れ率は高いので私から見るとアメリカ人の家計資産はフローではなく、アセットとして膨れ上がりやすい傾向にある、故に根強い消費余力があるとではないか、とみています。

ではこれが今後も続くのでしょうか?読みにくいですが、私は仮に一時的なクラック(暴落)が起きても1-2年で回復できる力を備えていると思います。よってアメリカの富は今後も膨らむ公算は高いとみています。

冒頭のドル指数も今後も更に上昇を続ける可能性はあります。ただ、世の中、永遠というのはなかなか想像しがたく、どこかで大きな変化がないとは言えません。その変化は概ね政府がきっかけを作ります。例えば最近一部で囁かれているブラックスワン(まさかと思われる事態)が取り沙汰されています。それが第2プラザ合意のような世界経済のルールをすっかり変えるような事態ともささやかれています。たぶん、そのうわさの背景はトランプ氏の性格と氏が主張する強すぎるドルの是正、高すぎる金利の是正が根拠だろうと思います。ただ、今の世界経済はプラザ合意をした時代とは全く違います。あのような激変措置をすれば想定外の事態が起こり過ぎて修復不能になる公算もあるでしょう。個人的にはブラックスワンはお化けである、(つまり出ない)と思っています。

ドル高は是正されるか、というタイトルに対して私は今のところ、すぐに是正されるきっかけが見いだせないと考えています。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年1月20日の記事より転載させていただきました。