色覚異常の中でも人口の0.01%以下といわれる極めて稀な「1色型色覚」の人が、なんと10人に1人の割合で存在する特異な地域がある。そこは、太平洋西部に浮かぶ島「ピンゲラップ島」だ――。

人口の10%が“色覚を失った”島の秘密とは? 衝撃的原因と250年前の悲しい真実
(画像=ピンゲラップ環礁 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

■島民の1割が色覚異常「1色型色覚」の島

 色覚異常や色覚障害と称される人は、日本国内で300万人以上いるといわれ、よく知られている赤と緑を識別することができない「赤緑色覚異常」は日本では男性の5%、女性の0.2%を占めるとされる。その中でも、見るものに色がなく白黒の濃淡で見える「1色型色覚」は、人口の0.01%以下といわれる極めて稀なケースだ。

 しかし、なんとこの1色型色覚が住人の10%を占めるという特異な地域がある。そこはミクロネシア連邦に属する太平洋の環礁であるピンゲラップ環礁にあるピンゲラップ島で、島民の10人に1人が1色型色覚なのである。

 1色型色覚は、色を知覚する錐体細胞が完全に欠如しているため、黒・白・灰色でしか見えず、色を感知することができない。これに加えて、光に対する過敏症、視力の鮮明さの低下、および目の不随意運動も経験する可能性がある。では、なぜピンゲラップ島ではその割合が高いのか。

人口の10%が“色覚を失った”島の秘密とは? 衝撃的原因と250年前の悲しい真実
(画像=画像は「Wikimedia Commons」より,『TOCANA』より 引用)