CDバブルの崩壊が始まりだしていた
CDの売り上げは1998年にピークを迎えましたが、その後は右肩下がりに減少。たとえば98年には26作のシングルがミリオンセラー認定されていますが、10年後の2009年は0作。2019年は6作ですが、2022年は1作、2023年は6作と、非常に数が減っているのが事実で、ここ10年はアイドル以外はミリオン認定されていません。
つまりCDバブルが起きている状態で、新しい物理メディアであるSACDが広く受け入れられることは難しかったといえます。
CDの「次世代規格」は不要?
SACDはCDの次世代規格に相当しますが、これまでに述べた様々な要因で普及には至らなかったといえるでしょう。このように00年代には様々な次世代規格が登場しました。そうして登場し、失敗した次世代規格の一つには「CCCD」があります。
CCCDは、コピーコントロールCDの略称です。音楽CDの違法コピーを防ぐ目的で2002年頃から登場した規格で、CDのデータに意図的にエラーを仕込むことで、パソコンでの音楽データの取り込みを困難にすることを目指していました。
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しかし、CCCDは多くの問題点を抱えていました。まず、CCCDは厳密には「音楽CDの標準規格」に準拠していません。つまり「CD」とは呼べない製品でした。「CDではないもの」を「CDプレーヤーで再生する」こととなるため、CDコンポで再生できないケースがあるだけでなく、製品の故障を招くことすらありました。さらに、意図的に挿入されたエラーデータにより、音質の劣化や再生時の音飛びなどの問題が報告されました。
CCCDについては音楽ファンだけでなく、アーティストからの反発も大きく、結果として、CCCDは音楽業界が忘れ去りたい「黒歴史」の一つとして認識されるようになりました。
総じてCDの次世代規格は「登場しては消えていった」のが現状であり、2024年現在では、むしろオールドメディアであえるアナログレコードの復権が相対的に目立つ状態です。
またAACやMP3など圧縮音源や、ハイレゾ音源で音楽を楽しむのも定番化。CDの次世代規格は「再生機器の普及」「CDを上回る高音質を求めるニーズの小ささ」「CDバブルの崩壊」など様々な要素に鑑みると、現実的に登場自体が難しいのが現状といえるかもしれません。
※サムネイル画像(Image:Hadrian / Shutterstock.com)
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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