だが、必ずしもマイナスな面ばかりではない。厳密には補強と意味合いが異なるが、武者修行先で結果を出した選手たちが帰還するからだ。特に注目なのはFC東京への期限付き移籍から復帰する荒木遼太郎。昨季は開幕戦で早速出場機会を得るといきなりの2ゴールをマーク。最終的には7ゴール4アシストといずれもチームトップの数字を残した。夏にはパリ五輪への出場も果たしており、有意義なシーズンを過ごしたと言えよう。

決して小さくない戦力流出はあったものの、期限付き移籍先で評価を高めた選手の帰還は新シーズンに向けて大きな戦力としてカウントできることから評価を横ばいの「C」とした。


レオ・セアラ(セレッソ大阪所属時)写真:Getty Images

FW(フォワード):評価A

IN

  • 徳田誉(ユースからトップ昇格)
  • レオ・セアラ(セレッソ大阪より完全移籍)

最前線には今冬リーグ全体で見ても目玉と言える補強が行われた。昨季リーグ2位となる21ゴールをマークした点取り屋レオ・セアラをセレッソ大阪より獲得。また、昨季は2種登録ながらクラブのJ1最年少ゴール記録更新となる得点もマークするなど、期待をさらに膨らませた徳田誉もトップ昇格となっており、攻撃陣はより一層厚みを増した。

また、期限付きで鹿島へと加入していたチャヴリッチが完全移籍へ移行となったことも大きい。昨季は残念ながらシーズン途中の負傷の影響もあり25試合の出場に留まったが、試合に出れば高い推進力と得点力を見せつけており、そんな彼が来季も残留したことは極めて大きな価値がある。

染野唯月が期限付き移籍先の東京ヴェルディへ完全移籍となったものの、国内屈指のストライカーを新たに獲得し期待感のある新星もユースから正式にトップ昇格となる。さらに、昨季存在感を放った助っ人が完全移籍へと移行し攻撃陣は間違いなくリーグ屈指のものになったと言えることから評価を「A」とした。