ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、同国の和平について話し合う「平和の公式(Peace Formula)」国際会議の第4回会合を来年1月14日にスイスのダボスで開くと明らかにした。ゼレンスキー大統領が自身のX(旧ツイッター)アカウントで明らかにした。同国際会議は来年1月15日に開催される慣例の「世界経済フォーラム」(WEF)年次総会(ダボス会議)に合わせて開かれるという。
同会議はウクライナとスイスが共同で主催し、ウクライナがロシアとの戦争を終わらせるために提唱した和平案「平和の公式」を中心に協議する予定だ。
「平和の公式」は2022年10月11日、ゼレンスキー大統領が主要7カ国(G7)諸国の首脳に対し、ロシアの脅威を克服するために発表したものだ。10項目から成る「公式」は、クリミアを含むすべての占領地からのロシア軍の即時撤退などを要求している。
以下、同「平和の公式」を小川洋子著の「博士の愛した数式」に真似て、「ゼレンスキー氏の愛する『平和の公式』」と呼ぶことにする。ウクライナ政府のオフシャルサイトから同公式の10項目の概要を紹介する。
①放射線と原子力の安全(Radiation and nuclear safety)
②食糧安全保障(Food security)
③エネルギー安全保障(energy security)
④全ての捕虜と追放者の釈放(Release of all prisoners and deportees)
⑤国連憲章の履行とウクライナの領土保全と世界秩序の回復
(Implementation of the UN Charter and restoration of Ukraine’s territorial integrity and the world order)
⑥ロシア軍の撤退と交戦の停止(Withdrawal of Russian troops and cessation of hostilities)
⑦正義(Justice)
⑧環境の即時保護(Immediate protection of the environment)
⑨エスカレーションの防止(Prevention of escalation)
⑩終戦の確認(Confirmation of the end of the war)
次に10項目の内容を簡単に紹介する。