EU諸国

EU諸国は再生可能エネルギーへの転換を推進しようとしているが、総エネルギー消費に対する化石燃料の貢献度は70%を占めている。

出典:Fossil fuels stabilised at 70% of energy use in 2021

世界の動き

英国エネルギー研究所とKPMGが共同で発表したレポートによれば、世界全体でも化石燃料は依然として、エネルギー消費の80%を占めているという。

世界エネルギー需要、化石燃料が圧倒的シェアを維持=報告書

中国やインドなどの国々は新しい石炭火力発電所に大規模な投資を行っている。中国は2006年以降、CO2排出をほぼ倍増、年間65億トンから115億トン(日本の排出量の約10倍)に増加させ、今後数年で100基の新しい石炭火力発電所を建設する計画を発表している。インドもこの期間にCO2排出を倍増させ、現在の水準は25億トンに達している

欧米において排出削減に成功しても、発展途上国の急速な成長によって排出されるCO2に圧倒されている状態が続いており、今後もこの傾向が継続すると見られる。また、欧米で成功したといっても、欧米で導入されたグリーン会計には、風力タービンや太陽光パネルの製造から排出されるCO2や風力タービンや太陽光パネルを設置および運用するためにしばしば使用される、原始的な土地や海岸の環境への影響も考慮されていない。

3. まとめ

ドイツから教訓を引き出すとすれば、すべての風力や太陽光が悪いという意味ではないが、システム全体で置き換えようとすると、ドイツで起きたようなトラブルに直面する。我が国も、「ドイツがグリーンのお手本」として憧れるのではなく、この失敗を「他山の石」と捉えるべきではなかろうか。

風力および太陽光の支持者の多くが、「石炭やガス発電所を停止すれば地球温暖化を食い止めることになるため、リスクとコストをかける価値がある」と主張しているが、その目標を達成するのは難しい。言動不一致を信条とする人たちが進める「疑似科学」に基づく気候変動の動きの中で、これまでと同様、COP28がどのような実質的な成果を挙げるのだろうか、甚だ疑問である。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?