立憲民主党への政治不審

立憲民主党にとって、少なからず衝撃を与えたのが、先ごろ行われた武蔵野市長選だろう。

武蔵野市長選 松下玲子市長の後継、自公系候補に敗れる「18年間の歩み止めてしまった」

長くリベラル政党の牙城とされてきた武蔵野市において、首長が旧民主党系ではなくなることは、今後の国政にも大きな影響を与えることになる。

任期半ばにして市長の職責を投げ出し、菅直人の後継として衆院選を目指した松下玲子は、立憲民主党の思惑としては秋以降の解散総選挙があるとの目算で松下玲子を後継候補に立てた。ところが、岸田総理は臨時国会前の解散を回避し、補正予算の成立を目指したことで、解散総選挙説は大きく後退し、立憲民主党の思惑は外れた。

そして、思惑が外れたどころか、職責を途中で投げ出した愚か者として、立憲民主党と松下玲子の支持率は急降下している。

立憲民主党の支持率が低下したもう一つの要因は、イデオロギー主導で市政を行おうとしている松下玲子への批判が高まったことで、立憲民主党という党そのもののあり方が見つめ直されたことが大きいと考える。つまり、安倍政権以後、旧民主党出身の国会議員が歩んできた実務を無視したポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)体質にNoを突きつけた今回の武蔵野市長選とも言えるだろう。

松下玲子のレガシーは、憲法9条改正反対、性的少数者擁護政策、東京オリンピックのパブリックビューイング中止要請、外国人参政権容認、JR吉祥寺駅近くの土地売却疑惑と、8年間の市長在任期間中、見事なまでの意識高い系有権者を満足させたい政策を行ってきた。

自称意識高い系にありがちなのは、このように左派リベラルイデオロギー「だけ」に囚われた結果の政策を進めようとする暴挙だ。

これは静岡県の川勝知事にも同じことが言える。川勝知事の場合も、国策事業であるリニア新幹線に対して、反対の為の反対「だけ」を目的にした為、暴論に次ぐ暴論を屁理屈として、静岡工区の工事を認めようとしていない。