DFラインでも大きな動きがあった。特に柏にとって痛手となったのが関根大輝の海外挑戦だ。昨季がルーキーイヤーにも関わらず31試合と多くの出場機会を得て活躍。パリ五輪のメンバーにも選出され国際舞台も経験した将来有望なサイドバックを早々に手放すこととなった。とはいえ、新戦力には関根流出のショックを和らげるのに十分な名前が並ぶ。湘南ベルマーレから加入の杉岡大暉は左足の正確なキックが持ち味。左サイドバックだけでなくセンターバックとしてもプレーが可能だ。サガン鳥栖から加入の原田亘は関根の務めていた右サイドが主戦場。昨季は強烈なミドルシュートからゴールも奪うなど、守備だけでなく攻撃面も魅力の即戦力だ。また、V・ファーレン長崎へ武者修行に出ていた田中隼人も楽しみな存在。昨季38試合すべてに出場し、長崎のプレーオフ進出に貢献した若手が柏でどこまで試合に絡めるか注目だ。

GKは国内でもトップクラスの実力者を迎え、DFラインも複数ポジションをこなせる選手たちを加えて選手層は増した印象だ。残念な若手の流出こそあったものの、確実に戦力アップを図れたと言えることから評価を「B」とした。

小泉佳穂(浦和レッズ所属時)写真:Getty Images

MF(ミッドフィールダー):評価B

IN

  • 中川敦瑛(法政大学より加入)
  • 仲間隼人(鹿島アントラーズより完全移籍)
  • 久保藤次郎(名古屋グランパスより完全移籍)
  • 渡井理己(徳島ヴォルティスより完全移籍)
  • 小泉佳穂(浦和レッズより完全移籍)
  • 原川力(FC東京より完全移籍)

OUT

  • 鵜木郁哉(いわきFCへ期限付き移籍)
  • 土屋巧(ヴァンフォーレ甲府へ期限付き移籍)
  • マテウス・サヴィオ(浦和レッズへ完全移籍)

中盤は大きな変革を求められるシーズンとなるだろう。現時点で流出した選手は数こそ少ないものの、2019年に加入して以降特に直近の3シーズンはチームにとって欠かせない存在となっていたマテウス・サヴィオが浦和レッズへ移籍。突破力や前線でのキープ力にシュート技術、加えて守備でも豊富な運動量を武器にゲーム終盤でも献身的にプレスをかけるなど、リーグ全体で見ても絶大な存在感を放っていた中心選手が流出となった影響は決して小さくないだろう。