待たれる島根原子力3号機の運転開始

島根原子力発電所では、3号機(137万kW)の建設が進められていました。2006年に本工事が着工され、2012年3月に運転を開始する計画でした。しかし、2011年3月に発生した東日本大震災の影響により、運用開始は「未定」とされていました。その後、2030年までの運用開始を目指す方針が2024年4月に発表されています。

当初は2012年に運転を開始する予定で建設が進められていましたが、結果として10年以上も発電することなく放置されている状態となっています。なんとももったいない話です。

例によって、島根原子力3号機が発電を開始した場合をシミュレーションしてみましょう。

公表されている資料を見ると、島根原子力発電所は広域開発電源などにはなっていません、100%中国電力の資本で建設されているため、137万KWの発電出力は、100%中国電力のお客様に供給される電気になります。

早速シミュレーションしてみたいと思いますが、中国電力の場合は単純に原子力で発電した分を石炭火力から減少させるという計算ではなくて、まずは他エリアからの購入電力量を減少させて、その上で石炭火力の発電量を減少させてみました。図3示します。

図3 中国電力エリア電源別発電量および需要実績(2025年1月6日の実績のデータを元に島33号機を運転させた分、融通受電と石炭火力を減少)

島根原子力発電所のコスト低減貢献度を計算してみる

グラフを見ただけでも、島根原子力発電所の中国電力に対する電力供給の貢献度が大きいのは明らかですが、数値化してみます。

以前の記事「東北電力・女川2号機再稼動で電気料金はどうなる?」では原子力比率を以下の式で計算しました。

原子力発電比率 =(原子力発電日量)/(原子力発電日量+火力発電日量)×100