新型は全長を旧型比で130mm拡大。上質で広いSUVに進化
新世代MINIの先駆けとして2023年11月に新型MINIカントリーマンとして日本で予約注文を始めたのがこのクルマ。2011年にMINIブランド初のプレミアムコンパクトSUVとして誕生したMINIクロスオーバーの進化版である。
MINIクロスオーバーはその後2017年に第2世代へとスイッチしたので、今回が3世代目となるモデルだ。
当初発表されたラインアップは、1.5リッター直3ガソリンターボの「C」、2リッター直4ディーゼルターボの「D」、2リッター直4ガソリンターボ+4WDの「S ALL4」、それと同エンジンをさらにチューンアップしたJCW(ジョン・クーパー・ワークス)だった。
そしてそこに2025年3月にBEVが加わる展開となる。そちらのグレード名はエレクトリックを表す「E」とそのハイパフォーマンスバージョン「SE ALL4」である。
こうして揃ったカントリーマンは全部で6モデル。SUV全盛の中、売れ筋モデルであることからなるべくたくさんのニーズに応えるため細かく揃えられている。
そんなカントリーマンの特徴はサイズ。全長×全幅×全高4445×1845×1660mm(JCW以外の内燃機関搭載車)は積載性がありながら日常使いも気にならない便利な大きさをしている。狭い道もストレスなく走れるから人気になるのは明らかだ。
先代のMINIクロスオーバーから比べると大きくなってはいるが、その分キャビンやラゲッジは広くなっているので、そこにネガティブさはない。
エクステリアデザインはこれまでの流れを踏襲する。が、全長が13㎝伸びたことや新世代ということで、全体のフォルムはシュッとしている。ヘッドライトは従来の角のある異形丸型を新しく解釈し、シグネチャーランプとして存在をアピールするようになった。しかも八角形のフロントグリルと合わせるとちゃんとMINIしているからお見事。
インテリアで目立つのはやはり丸型有機ELのセンターディスプレイ。直径240mmの高品質ガラスはタッチスクリーン式で、直感的に触れることで操作できる仕組みになっている。
走りは背の高いSUVになってもゴーカートフィーリングはそのまま。SUVとは思えないフットワークの軽さで鼻先の向きを変える。これがMINIブランドの醍醐味。その意味ではあらゆるニーズに応える万能型といいたい。荷物が積めて、スポーティにも走れ、おしゃれなデザインをまとったこいつは、オールインワンな1台である。