詳しくは、著書『子ども白書2016 18歳「成人」社会~「成人」とは何か~』(本の泉社)なども読んでもらえればと思うが、私たちの仕込んだこの国民投票法の仕掛によって2015年5月に「18歳選挙権」が実現、「18歳成人」へと繋がった。
さらに宿題として残るのが被選挙権年齢の引き下げ初の18歳による国政選挙が行われたのが2016年だった。自民党では党の政策決定を行う政務調査会に「若年成人の教育・ 育成に関する特命委員会」を設置し、初回会合では、私が有識者として招かれ、成人年齢引き下げに関する課題と同時に、被選挙権年齢引き下げを含めて、若者を当事者として参画させながら育てていく環境整備の重要性などを指摘したことを思い出す。
「18歳選挙権」と「18歳成人」の実現でもさらに宿題として残るのが、「被選挙権年齢の引き下げ」だ。
世界各国の被選挙権年齢を比較してみると、17歳が1.0%、18歳が33.3%、20歳が0.5%、21歳が29.2%、23歳が2.6%、25歳が28.2%、28歳が0.5%、30歳が4.6%となっている。
選挙権年齢と異なり、被選挙権は世界の傾向は大きく18歳、21歳、25歳の3つに分かれる。
これは、被選挙権年齢を選挙権年齢と合わせて18歳としている国と、当時21歳が成人年齢の主流であった中で成人年齢と被選挙権年齢を合わせていた国、成人年齢よりさらに高い年齢に被選挙権をおいていた国とに分かれていたためだ。
一方で、ドイツ、フランス、英国、スウェーデンなど欧州諸国は成人年齢引き下げなどのタイミングで軒並み被選挙権年齢は18歳へと引き下げられている。
日本の被選挙権年齢は、国際比較で使われる下院に当たる衆議院議員をはじめ都道府県議会議員、市区町村議員、市区町村長までが25歳、上院に当たる参議院議員と都道府県知事が30歳となっている。
被選挙権年齢も先進国とされるOECD(経済協力開発機構)の加盟国(36カ国)で見ると18歳が21カ国(58.3%)と過半を占める。