ネブラ・ディスクの謎を解き明かす

 20年以上にわたる丹念な分析により、ネブラ・ディスクは2世紀にわたる使用期間中に3回改変された可能性が高いことが示唆されている。当初は高度な天文学的知識を反映した精巧な図像が描かれていたが、後の段階でそれは忘れ去られ、天体と地平線の相互作用に焦点を当てた伝統的な知識に置き換えられた。最終的には、この簡略化された知識が神話に取って代わられたと考えられている。

 紀元前1800年頃に作られた当初の円盤には、金色の円盤(おそらく太陽、または満月)、三日月、そして星を表す32個の小さな金色の円が象嵌されていた。特徴的な星の配置は、プレアデス星団を表していると考えられている。農民たちは、毎年春にこの星団が地平線に沈むのを見て、作物の種を蒔く時期を知っていた。

 その後、円盤の両側に82度の弧が追加された。一方の弧は金色の象嵌がほとんど失われているが、もう一方はほぼそのまま残っている。注目すべきは、これらの弧の角度が、夏至と冬至の日没位置の間の角度(北緯51度)と一致していることだ。これは、円盤が発見されたミッテルベルク丘陵と同じ緯度である。円盤を分点線上にあるランドマーク(石や木の円陣など)に合わせると、日没時に正確な時期を特定することができた。

「ネブラ・ディスク」3800年前の天体図?オーパーツの真実
(画像=夏至時に太陽はブロッケン山の背後に隠れる Rainer Zenz – 投稿者自身による著作物originally uploaded on de.wikipedia by Rainer Zenz at 16:03, 14. Okt 2004. Filename was Nebra-5.jpg., パブリック・ドメイン, リンクによる,『TOCANA』より 引用)
「ネブラ・ディスク」3800年前の天体図?オーパーツの真実
(画像=冬至時には太陽は最南端に下る Rainer Zenz – 投稿者自身による著作物originally uploaded on de.wikipedia by Rainer Zenz at 18:32, 17. Okt 2004. Filename was Nebra-7.jpg., パブリック・ドメイン, リンクによる,『TOCANA』より 引用)

 さらにその後、円盤の下部に金色の弧が追加された。その四角い端は、天体ではないことを示唆している。考古学者は、これが太陽の船(太陽が毎晩西から東へ移動するための神話上の乗り物)の象徴的な表現であると考えている。あるいは、鎌や草刈り鎌などの収穫に欠かせない道具を表しているという説もある。

 ネブラ・ディスクは、オーパーツとして語られることもあるが、最新の研究により、その製作方法や歴史的背景が徐々に明らかになりつつある。古代人の高度な技術と知恵を証明する貴重な遺物であるネブラ・ディスク。今後も研究が進み、その謎がさらに解き明かされることを期待したい。

文=青山蒼

提供元・TOCANA

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