4人目は5得点で今大会の単独得点王に輝いた堀越高校(東京都)のFW三鴨奏太(2年)。両足共にパス、トラップ、シュートとどれをとっても高い技術が光る万能型FWだ。

松山北高校(愛媛県)と戦った3回戦(6-1)では、前半6分に相手コートでドリブルを開始すると味方とのワンツーで相手DFを崩し、最後はループシュートでGKの頭上を通過したボールがネットを揺らした。さらに15分にもペナルティエリア外から左足一閃の目が覚めるようなミドルシュートで2点目を記録。続く38分には味方のクロスをヘディングで合わせてハットトリックも達成した。三鴨はこの試合で4ゴール2アシストとチームの全得点に絡む大活躍をみせた。

今大会の覇者・前橋育英に0-1で敗戦しベスト8で姿を消した堀越だが、三鴨は全国に強烈なインパクトを残した。


日本サッカー協会 写真:Getty Images

GK橋本脩礼(東北学院高校)

最後は今大会を通じて大きな飛躍を遂げた東北学院高校(宮城県)からGK橋本脩礼(3年)を挙げる。屈強なメンタルや要所でのセービング能力が魅力的な選手だ。

滝川第二高校(兵庫県)と対戦した2回戦、試合前半にはキャッチミスやエリア外でハンドを取られるなどもあったが、持ち前の強靭なメンタルで引きずることなくすぐさま気持ちを切り替えた。強力な攻撃陣を誇る相手に何度も決定的なシーンを作られるが、その度に橋本のビッグセーブが光った。終わってみればシュート数では3対13と滝川第二が大きく上回っていた。しかし橋本のセービングやパンチングに加えチームを鼓舞する統率力などが随所で際立ち、強豪相手に1-0と完封勝利。懸命にゴールを守り抜いた守護神はチームのベスト16入りに大きく貢献した。


今回挙げた5選手のうち、前橋育英のMF白井や堀越のFW三鴨はまだ2年生であることから伸びしろが十分にあり、今後さらにインパクトを残せる可能性を秘めている。彼らの活躍に注目すると共に新たなヒーローの誕生に期待したい。