日本語教師の底上げも大事だが…
日本語教師というのはずっと野放図にされてきており、明白な資格がこれまでありませんでした。そこで今週末初の「試行試験」が行われ、将来的には国家資格に格上げする布石となります。また日本語学校も認可制になり、最終的にはこの国家資格となるであろう日本語教師の資格保持者が運営するのが条件となりそうです。国内には日本語教師が17000人ほどいるとされるのでレベルアップと教育のばらつきという点では訂正されそうです。
ただ、日本語教師については本来であれば外国にいる日本人教師にもっと焦点を当てるべきでしょう。私も日本語教科書を卸売りしている手前、それなりのお付き合いはありますが、正直、非日本人が片言の日本語で大学で教えているケースもあるのです。また、大学で教える日本語教師は講師であってどれだけ頑張っても教授といった称号はもらえません。つまりアカデミックというわけでもありません。
私がもっと気になっているのは「Youはなぜ日本語を学ぶの?」という質問に「アニメで親近感がある」「ほかに学びたい語学がない」程度で積極的な動機ではありません。事実、第二外国語を学ぼうという機運が盛り上がる時代でもなく、例えばカナダの大学におけるドイツ語のグラスはどんどん閉鎖されています。理由は「ドイツ人は英語をしゃべるから」です。カナダはフランス語も公用語ですが、当地BC州では仏語が出来る人は数%に留まります。アニメ書籍を売っていても「英語じゃないんでしょ」と言う人が以前にも増しています。個人的には語学より文化を教えた方がよい気がします。
後記 皆さんがこれをお読みの頃は日本に向かう空の上。そして今回は日本での仕事の関係で大急ぎで読み解かねばならない日英の書物が数冊あります。いつもは小説を読む読書室ですが、今回はがっつり仕事の戦闘モードを続けなくてはいけません。幸いにして私の物事に対する集中力はスイッチが入ると周りで子供が泣こうが、誰かが会話しようが一切気にならず、CAの存在すら忘れる見えない防御シールドで覆われるような完全隔離状態になれます。往々にして成田についたらヘロヘロというのがいつものパターン。一度は飛行機の上で映画ぐらい、観てみたいものです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月9日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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