今年の流行語大賞は阪神岡田監督の「アレ(A.R.E.)」だそうですが、海外在住で阪神に興味がなかった私には全く分からなかったです。岡田監督曰く「もう少しで何かにたどりつくという意味が加味される」(NHK)とのことですが、それならじいちゃん、ばあちゃんの日常会話ですよね。「おい、あれ何処かな?」「それはあそこですよ、おじいさん!」。夫婦語は不朽、絶対不変の「アレ」ですよね。あれれれ?

では今週のつぶやきをお送りいたします。

崩れた東京市場

正直、2日で1100円越えの下落を演じる東京市場の展開は予想できませんでした。2つの不幸が重なったと思います。1つはアメリカの利上げはもうなさそうだ、という見解がFRB筋から複数出ていること、各種統計からもこれ以上利上げをする理由を見出せず、日程的に先行したカナダ中銀も利上げは見送っています。本日発表の11月度アメリカの雇用統計は19.9万人増でしたが、自動車業界のストライキ終結に伴う調整が入っており、アメリカの金利政策に影響を与えるものではありませんでした。

もう1つは日本も日銀筋が金融政策正常化を見据えていることがあります。植田総裁の7日の参院財政金融委員会での発言も言葉尻はまだ保守的な表現を交えていますが、その日に備えた準備をしているとみてよいでしょう。多分、段階を経るはずですが、年内のYCC撤廃、年明けのマイナス金利をゼロからゼロプラス程度への誘導、春に向けて低位のプラス圏で安定が視野にあるかもしれません。その背景には来年度の春闘はかなり強気な要求が出そうで日銀に安ど感を与えていることもありそうです。

円高は日本の株価には不利とされます。個人的には非常に不思議な解釈ではあります。なぜなら内需中心の日本に於いては為替は円高のほうが良いし、海外企業の買収も円高の方がよいのです。ところがメディアは一部の輸出企業の利益に目線が行くわけです。一方、ほとんどの大手輸出企業は為替は向こう1-2年分ぐらいはヘッジしており、目先の動きの影響は軽微です。むしろ、国力を考えれば国家の通貨は強い方がよいと私は思いますが、一部の専門家は円安バンザイ説ですよね。それだけは私には未だに理解できない論理であります。

自民党は終わりの始まり?

今回の裏金疑惑が出るはるか前から年末にかけて大物政治家絡みの大きな事件が起きると一部で囁かれていました。そしてこの裏金疑惑が出た時点でリクルート事件並みになるという専門家もいます。これを書いている時点で安倍派事務総長だった松野官房長官をはじめ、現事務総長の高木毅国対委員長、さらには世耕弘成参院幹事長らに1千万円以上の裏金が流れていた可能性が指摘されています。松野氏はもはや官房長官としての体を成していない状態で、岸田首相の足元も極めて悪い中、女房役の不祥事となればこの先を予想するのは極めて困難です。個人的には今回の問題は松野氏らの1千万円レベルの話ではなくもっと大きなヤマがあるとみています。

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このブログを長年お読みの方は私が以前から自民党の時代は終焉しつつあるという趣旨のことを書いてきたのはご承知の通りかと思います。そして党を二分すべきとも何度か申し上げました。私は大物政治家の逮捕に至るような大きな事件になるなら自民党の存続そのものが危ういことになるだろうとみています。その場合、本当に二分し新たな門出をいとわないグループと古い体質を堅持したいグループに分ければよいと思います。自民党には才能があるのに光が当たらない政治家が多すぎると思います。

また、自民党という名が崩れるなら官僚組織も大きく変化するということです。今の官僚は何処まで仕事に熱意があるのか、日本を背負って立つという意気込みがある気骨あるエリートがどのぐらい残っているのか見てみたいものです。これこそ日本の本格的な構造改革につながるでしょう。ニッポン大改革ぐらいの勢いでよいと思います。そういう意味でも東京地検特捜部は思いっきりチカラを発揮して腐敗する政治を切刻んでもらいたい、というのが私の個人的希望であります。