つまり、トリチウム以外の放射性物質については、人体への安全性を保障する環境基準をクリアしているという点で、福島第一原発の処理水は、普通の原発が流す処理水とまったく同じです。もしも告示濃度未満の有害物質が存在することを危険視するのであれば、水道水はもちろんのこと、市販されているミネラルウォーターも危険です。
松原氏は、海洋中に拡散する有害物質が告示濃度以上に濃縮するという物理的にありえない制約条件(フィックの法則によって証明可)を設定して、処理水の海洋放出を危険視したのです。
<事例2>オスプレイの価格は15万円
<事例2>2019政治決戦必勝!総決起大会 2019/03/02
川内博史議員(立民):オスプレイは重さ15トンなんですが、オーストラリアで鉄1トン買うと1万円です。それが15トンですから、本当は15万円ですよ。いろいろ加工して人手がかかっているからいくらかは付加価値がつくかも知れないけど15トンの鉄の塊は15万円なんです。それがなんで2百億にもなるのと。どこがどうなったら2百億になるんですか。全部みなさんに請求書が回るんです。
一般に、製品の製造費には、製造原価・販売費・一般管理費が必要となります。そのそれぞれの原価には材料費・労務費・製造経費が発生します。オスプレイのような科学のステート・オブ・ジ・アーツを結集した少数限定販売の製品の製造には、研究・開発費を中心とする莫大な一般管理費が発生するために、素材に関わる費用は全体費用と比較して極僅かとなります。
川内議員は、このような制約条件を無視し、素材(しかも鉄のみ)に関わる費用のみがオスプレイの価格を構成するという極端な制約条件を基に自説を展開したのです。
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