5月1日から拡大バンクーバー地区で取水制限が始まりました。今回は第一弾で芝の散水などへの規制となります。この規制は例年発令されるので驚くことではないのですが、5月1日というタイミングがかつてない早さで注目しています。発令されたその日は雨でその後もコンスタントに雨は降っています。
現状、水不足の様相は全くありませんが、カナダ内陸部では川の水量が減り、湖の水が枯渇しそうだといった報道が相次ぎます。例年夏にひどくなる山火事が今年は既にその脅威の真っただ中にあり、先週あたりまで一部の地方の街に火が迫り、街の全住民が避難を余儀なくさせられたところもあったことから拡大バンクーバー地区も予防的措置をとっているということでしょう。
気候変動問題は統一された見解はありませんが、基本的には二酸化炭素やメタンといった温室効果ガスの層が大気を覆うことが原因であると考えられています。トランプ氏のようにそんなのはまやかしだという意見もあるし、地球は温暖化と寒冷化が交互にきておりそのサイクルの一環だ、とする人もいます。ただ、どんな理由にせよ、私の人生経験では冬の厳しさは徐々に和らぎ、夏の暑さは厳しさを増す傾向はここカナダでもはっきり感じ取れます。
あるべき水がないとどうなるか、人間の生活ができないことはもちろんのこと、産業が機能しなくなる問題を抱えます。カナダのアルバータ州ではオイルサンドとガス事業で潤っていますが、その潤いは水があってこそなのに今は緊急事態宣言の上から2番目の警告が出ている状態です。仮にこの夏、更に乾燥が続けば最も危険度が高い状態となり街がマヒしてしまうことすら考えられます。
その上、土地が乾くことで山火事が発生しやすくそれを沈静化させるには人間の力では到底太刀打ちできない規模になります。燃えさかる山に呆然と立ち尽くし、猛スピードで延焼する行く手の人たちは大急ぎで逃げるしかない、まるでハリウッドの映画仕立ての様相が当たり前のように起きているのです。