横浜にやってきました。ご承知の通り横浜は日本で最初に鉄道が開通した町。この横浜の地にふさわしい鉄道の博物館が横浜駅から歩いてすぐの場所にあります。

それが原鉄道模型博物館。コクヨの元専務で世界的に有名な鉄道模型コレクター、原信太郎氏が集めた内外の鉄道模型を展示する博物館です。原信太郎氏の経歴につきましてはこちらをご覧ください。

なんか昆虫を正面から見てるみたい。

原氏は単なるコレクターではなく、模型を自分で制作していました。こちらは阪神電気鉄道311形313。1921年に運転を開始した木造車両です。当時関西の私鉄は色鮮やかなものが多く原氏はその姿に魅了されたそうです。走行する区間によって電気の取り方が違うためトロリーポールとビューゲル(パンタグラフのようなもの)があるのですが、それらも精巧に造られています。

こちらは、いま日本のどこかを走っている列車のモデルとなった模型ですが、どの列車かおわかりですか?

JR九州HPより。

JR九州 | JRKYUSHU DISCOVER TRAIN「或る列車」

そう、それは「或る列車」。1906年、当時私鉄だった九州鉄道はアメリカのブリル社に豪華車両を発注しましたが、九州鉄道が国有化されたため納品されたものの放置され、お披露目することがなかった車両です。原氏は1999年にこの車両の模型を製作しており、「或る列車」のデザイン監修に携わりました。100年のときを超えて、模型がかつての豪華車両をみごとによみがえらせました。

伊豆急行開業日の一番切符。

原氏は今でいう「模型鉄」だっただけでなく、「乗り鉄」でもありました。それもただの乗り鉄ではありません。開業日の一番切符を収集するコレクターでもありました。日本初の地下鉄、銀座線の開業日に一番切符を手に一番列車に乗ったのは8歳のとき。幼少のころから筋金入りの鉄道ファンでした。