名古屋市が名岐鉄道から社名変更した名鉄に路線延伸を要望したものの名鉄が前向きでなかったため1941年、名古屋市が大曽根から上飯田まで市電御成通線を開業させました。これにより、上飯田から市街地まで市電で直通でアクセスできるようになり町は大いに発展しました。

1971年

ところがその栄華は長くは続かず、モータリゼーションの波に押されて1971年2月に市電が廃止されます。同年12月に地下鉄名城線が開業して平安通駅ができたものの上飯田駅までは800m離れており、小牧線利用者はこの区間をバスか徒歩で移動しなければならなくなり不便を強いられました。

この不便を解消すべく早い段階から上飯田線(当初計画では7号線と呼ばれ丸田町まで延伸される予定でした)の計画はなされていましたが、川を潜る難工事もあって工事が遅れ、2003年にようやく上飯田線が開業に至ったのです。

市電時代からこの区間が名古屋市により運転され、その廃止によって不便になったという経緯や、地下鉄の敷設計画が古くからあったことから上飯田線は名鉄ではなく名古屋市営地下鉄の一部として運行することとなりました。

話が長くなりました。ホームに降り再び「上飯田線」としか書かれなくなったホームから上飯田駅に向かいます。

平安通駅から電車に乗って1分、上飯田駅に到着します。かつて多くの人が地上を歩いていた800mをいとも簡単に通り抜けてしまいました。

上飯田駅の駅名標は独特です。ここだけ見ると地下鉄の駅のように見えますが、

こちらの駅名標は名鉄仕様。ホームドアは地下鉄仕様で両者の特徴を併せ持ったな駅です。ちなみに上飯田駅はもともと名鉄小牧線の駅であったことから名鉄が管理しています。

改札まで来ると案内板に名鉄感がでてきます。

上飯田駅の時刻表。平安通駅に向かう方は地下鉄仕様、小牧・犬山に向かう方は名鉄仕様。あくまで別の船であることからそれそれの事業者の使用で案内されています。