バチカン・ニュースが11日報じたところによると、イタリア教会司教会議は新たな神父養成指針を発表した。この指針には、虐待防止、女性や心理学専門家との協力強化、さらには同性志向を持つ人々の聖職への道についての規定が含まれている。この指針は1月9日に施行され、当面の間3年間有効だ。2006年版の指針に代わるもので、バチカンの承認を受けて制定された。

ドイツ教会での神父叙階式(2020年7月10日、バチカン・ニュースから)

神父養成指針で注目される点は、性的指向に関する神父養成の規定が緩和され、同性愛者は今後、原則として神父職から排除されることがなくなる。バチカン・ニュースによると、「養成過程において同性愛的傾向が話題となる場合、その判断をこの側面に限定するのではなく、他の候補者と同様に、その若者の人格全体の中での意義を理解する必要がある」という。ただし、同性愛者の神学生に対しても、異性愛者の神学生と同様、性行為は禁止される。2016年にバチカンが発表した指針では、「実践的な同性愛者」や「根深い同性愛的傾向を持つ者」、また「いわゆる同性愛文化を支持する者」は、原則として神父職から除外されることになっていた。

新指針では、数年間にわたる養成期間中に、「個々の性的成熟への成長が重要な役割を果たす」と強調されている。「現代の社会文化的状況は、その矛盾や曖昧さとともに、この分野でより真の成長を遂げるための特別な機会を提供する」と説明。これらのテーマが現在自由に取り組まれていることは、神父候補者が人間的、心理的、霊的にさらに成熟するための良い前提条件を形成しているという。司教たちは、養成課程における率直な議論を推奨している。候補者は自己を構成するすべての要素、性的指向を含む人格全体をますます自覚し、それを統合し、十分な自由と落ち着きをもって対処できるようになることが求められる、というのだ。

聖職者の未成年者への性的虐待問題については、指針では「法的な次元に限定されるべきではなく、法的責任や制裁の可能性を判断するために弁護士に委ねるだけでは不十分である」と強調。法的な対応に加えて、虐待の経緯、原因、そして「個人および社会、共同体、教会の文脈」を理解することが必要だと指摘している。神父養成では国家レベルの児童保護基準を考慮に入れるべきと主張。特に神父候補者の選考に際しては、彼らの過去に特段の注意を払う必要があり、「いかなる形でも犯罪やこの分野での問題のある状況に関与した経歴を持っていてはならない」と強調している。