ところが、既に述べたようにアメリカ合衆国ではそのような現象は起きていません。一方、スイス、オランダ、ベルギーではすべり台現象が起きています。これは、これらの国の法律には「余命6ヶ月以内」という規定が記載されていないためと考えられます。スイスでは法律自体が存在しません。これでは、際限なく対象者が拡大されてしまっても仕方がありません。
安楽死反対派は、このすべり台現象を根拠として安楽死を容認できないとを主張します。しかし、アメリカ合衆国ではこの現象は起きていません。したがって、日本で安楽死制度を作るのであれば、法律の条文に「余命6ヶ月以内」という規定が記載されるべきであると私は考えます。
アメリカ合衆国での安楽死法の採決方法は、住民投票を採用した州は3州のみで多くはありませんでした。しかしながら、日本では国民投票を採用することが望ましいと私は考えます。なぜならば、安楽死の是非には正解はないと考えられ、国会の採決で決めることは日本の国会議員には荷が重すぎるからです。
この問題に正面から取り組める胆力のある国会議員は、日本には多くはないように私は思います。批判を恐れて、いつまでたっても採決されないことが予想されます。現に、尊厳死の法制化は放置されたままです。国会議員の仕事は、国民投票のための下準備をすることだと私は考えます。安楽死の是非を決めるのはあくまでも国民であるべきです。
・安楽死の是非に正解はあるのか?① ・安楽死の是非に正解はあるのか?② ・安楽死の是非に正解はあるのか?③ ・安楽死の是非に正解はあるのか?④