インドネシアのフローレス島には、伝説的な小型の「猿人」がいまだに存在しているのではないか――。このアイデアはまるでSFのようだが、現地住民や観光客の目撃談、そして人類学者グレゴリー・フォース教授の研究が、この説に信憑性を与えている。

伝説と科学が交差する「猿人」目撃談

 2003年、フローレス島で発見されたホモ・フローレシエンシスの遺骨は、身長約110センチメートルの小型の人類種であり、5万年前に絶滅したと考えられていた。しかし、フォース教授によると、地元のリオ族をはじめとする住民たちは、この「猿人」に似た生物を目撃していると語る。彼らはこれを「ライ・ホア」と呼び、約30人が実際に見たと証言しているという。

 リオ族の証言によれば、「ライ・ホア」は人間より小柄で、直立歩行をしながらも猿のような顔を持ち、全身に毛が生えているという。これらの記述は、ホモ・フローレシエンシスの復元図と驚くほど一致している。興味深いのは、これらの目撃談が遺骨発見以前から語り継がれており、単なる考古学の影響を受けた創作ではない点だ。