大林ミカさん(自然エネルギー財団事務局長)が一躍時の人となっている。中国企業の透かしロゴ入り資料が問題化されて深刻度を増しているという。
大林さんは再生可能エネルギーの普及拡大を目指して規制の見直しなどを審議する内閣府のタスクフォース(TF)の委員だったが、この透かしロゴ問題の責任を取る形で委員を辞任した。問題の本質は、中国国有企業の透かしロゴ資料が〝中国が日本のエネルギー政策に影響を及ぼし果ては安全保障上の脅威〟となっていることの証左だとされている。
私はこの社会問題化された事態を見て、何を今更言っているのだと正直思った。
そもそも大林さんと河野太郎氏は、大林さんがIRENA(国際再生可能エネルギー機関)の事務局に入る以前から懇意であったし、2011年に孫正義氏が『アジアスーパーグリッド(ASG)構想』を高らかに謳いあげた時にこの稀代の政商は日本の電力インフラを汎アジア主義のもと、中国支配下に置くつもりだなと感じた。
要するに、とうの昔に孫―大林―河野トライアングルは大林さんを軸に出来上がっていたわけだし、孫氏がそもそも自然エネルギー財団を立ち上げたのはASGのためであったし、大林さんはその政策的側面を、また河野氏はこの構想の政治的受け皿を担うことが運命付けられていた訳である。
このロゴ透かし問題は、社会問題化し国会で河野太郎規制改革担当大臣の責が問われる形となった。大臣は「チェック体制の不備」つまりちょっとした不注意だったと強調した。